#001「国会前とクラブは同じ社会の空間でしょ」。奥田愛基が“社会とカルチャーをつなぐフェス”を開催する理由|#すべてをつくる 都市型フェス『M/ALL』への道
楽しくても、みんな次の日には仕事や学校がある。現実世界に結局帰っていくという虚しさが残るっていうか。自分も真面目に勉強して社会問題を考えて政治的な活動をして。そういう“真面目な自分”と“遊んでいる自分”が、どこかで乖離しちゃうんですよね。“社会的な現実”と“個人的な楽しさ”がどうつながるのかをずっと考えてました
そんな彼を変えたのは、2015年の国会前。アーティストやデザイナーが集い、原発問題や現政権のあり方に対して熱く語り合う様子や、デモが終わった後に「じゃ、この後クラブでイベントあるから」と颯爽と去っていくDJの背中を眺めているうちに「カルチャーと社会のつながり」を実感するようになる。
社会とつながっていないカルチャーはそもそもカルチャーじゃないと思うようになりました。今回のイベントM/ALLは、「カルチャーも社会問題もどっちも体感できる空間をつくっちゃえばよくない? 」と友人や知り合いに声をかけて企画したものです。
「楽しかった、よかった」「はい、消費して終わり」じゃなくて、「その先に何があるのか?」ということが、このイベントでみんなに問いかけたいことです
とはいえ奥田さんは、個人と社会の断絶を誰よりも痛感している。