#001「国会前とクラブは同じ社会の空間でしょ」。奥田愛基が“社会とカルチャーをつなぐフェス”を開催する理由|#すべてをつくる 都市型フェス『M/ALL』への道
「個人と社会の関係って、矛盾だらけですよね」と、考え込んだ。
社会のこと、四六時中考えてられないじゃないですか。でもだからといって、社会からも逃げられない。みんな日々葛藤してる。だから「楽しいけど楽しいだけじゃない」「社会について考えたくないけど考えたい」という矛盾をそのまま体現するイベントにしたいんです。だって、みんな結局社会で生きてるんでしょ?
それでも希望が持てるのは、音楽があるから
生きてていいのかどうか、不安になることがたくさんあると思います。「何の役に立つのか?」みたいな生産性や効率性だけで判断してしまうと、すぐ「じゃあいらない」ってなる。でも、世界ってそんな場所なのかな役に立つかわからないけど、そのもの自体に価値があるように思えたり、意味が宿ったり。
アートってそういう世界ですよね。絶望のなかで、音楽や絵や詩に触れて心から感動したとき、ようやく人間性が回復して自分の言葉や表現が生まれることもある。アートが社会からなくなると、人間はロボットみたいになると思います
アートはその時代に生きる人々の複雑な内面性を映し出す鏡でもある。そんなアートのなかでも、奥田さんを救ってきたのは、特に音楽だったという。