「バカにされた太鼓の存在を認めさせたい」。“スマホを捨てた若者”が、太鼓に夢を懸ける理由 VOL.2
なんで研修所に来たのかを思い出すことができたんです。
ー「太鼓で生きていく」「心を伝え続ける」という目標のために研修所に来たんですよね。「心を伝え続ける」というのは、具体的にはどういうことになるんですか?
太鼓奏者とは別に、唄い手にもなりたいと思っているんですが、ここでいう唄は、昔から現代に伝わっている民謡や子守唄のことで、この唄の歌詞が僕の言う心です。民謡や子守唄って、昔から伝わる知恵が歌詞になっていることが多いので、現代にも通ずるところがあるんです。だから唄の歌詞を通して、日本人が大切にしてきた心を伝えていきたいと思っています。
ーなるほど。あとは目標に向かって進むだけですね?
はい。まあ、今ちょうどホームシックなんですけど(笑)。
ーあ、そうなんですか(笑)。
急にきました。周りもたまにそういう話をしているんですが、僕は割と定期的に来るのかもしれないです。
ー家族に会いたいという気持ちが?
そうですね。
ーメンバーになれるか分からないし、不安にもなりますよね。
はい。将来が分からないこの生活への不安はあります。きついこともありますし。
苦しい時は本当に苦しいんです。