「バカにされた太鼓の存在を認めさせたい」。“スマホを捨てた若者”が、太鼓に夢を懸ける理由 VOL.2
地元から出てみたいとも思ってたので、だったらもう中学卒業後でいいじゃんって。
ー大胆ですね。
これはさすがに親から止められたので、ひとまず高校に行って、そのあとどこかで修行しようと考えました。それで高校2年生の時に、鼓童の演奏を初めて生で見たんですけど、その時の衝撃がもう……一目惚れでしたね。今まで考えていた太鼓の概念を覆されたというか。
ー鼓童と他のチームでは何が違ったんですか?
他のチームの演奏は引き込まれるように感じるんですが、鼓童の演奏は押し寄せてくるように感じるんです。鼓童の世界観が観客席を包み込むみたいな。あえて言葉にするとそんな感じです。
とにかく衝撃でした。だから修行するなら鼓童だって決めて、ここに来ました。
ー実際に修行してみてどうですか?
中学生の頃からほぼ毎日叩いていたので、太鼓が生活の一部なのは変わらないんですけど、周りに誘惑がないのは良いですね。集中しやすいから自分の弱みや強みが分かってきて、改善点や伸ばしていけばいいところが見えてきたんです。
ー外から情報が入ってこない分、自分と向き合う時間が増えますからね。
そうですね。練習中きつい時に「まだ頑張れるだろ?」