「なんとなくで生きてきた自分を変えたかったんです」。“スマホを捨てた若者”が、太鼓に夢を懸ける理由 VOL.3
それでそこそこいいところまでいって。でも、地域の選抜チームに入ったあとに、身長が小さいという理由で外されてしまって…。
ーそこで挫折を味わったと。
そうです。
ーそんな時に鼓童の公演を観て、なぜ再び太鼓への情熱を取り戻したんでしょうか。
結局バスケは格好よく見られたいという、自分本意のモチベーションが大きかったんです。結果的に身長も伸びたので、バスケを続けようと思ったらできたんですけど、なぜかあまり真剣になれなくて。太鼓を叩くときは、公演を見てくれる方に、何かエネルギーを与えたいという気持ちが根底にありました。
太鼓は自分のためじゃなく、誰かのためにというモチベーションが先にあったんです。その違いは大きかったと思います。
ーその「誰かのために」と思うようになったきっかけはありますか?
これまでたくさんの人に支えられてきたからかもしれません。中学生の時に足の指を骨折したんですが、それがかなり酷くて、まともに歩けなかったんです。ちゃんと治さないと歩けなくなるかもしれないってレベルでした。だから母が毎日学校や病院に送り迎えしてくれていたんですが、当時はその苦労も分からずに、「早く来いよー」