『ホビット』リチャード・アーミティッジ インドア男子から“戦士の王”へ
彼自身、そんなおいしい役柄を存分に楽しんだと明かす。
「彼は戦士だし、僕が役づくりのときに一番中心に考えたこともそれだった。戦士の王であるというところが一番面白いと思えたところなんだ。でも僕の役は、経験によって年を取っていくわけで、つまり、年を取っていればいるほど、戦場では優れた才能を持っているという風に描かれているんだ。ピーターは、僕をキャスティングしたことで、実際より若くしてしまった。年を取った戦士は、経験を重ねたことでより優れた戦士になっているから、エネルギーを使わずに効率的に戦うことができるんだよ。でも、僕はより若い男としてトーリンを演じなくてはいけなかったら、彼の戦い方はバズーカのような感じだっただろうなと思ったんだ。それで、実際に戦闘シーンを演じたときも、そういうことを自覚しながら演じられたから、とても楽しかったんだよね。
僕が暴力的になれるから、という訳ではないよ(笑)」。
さらに、トーリンへの役づくりの際には意外な人物を参考にしたとも。
「実はピーター(・ジャクソン監督)自身を参考にしたんだ。彼は、権威のある存在でありながらも、絶対大きな声で怒鳴ったりしないし、それに、彼と仕事した人たちというのは、必ず再び彼と仕事したいと思うもので、つまり彼は、人が忠誠心を抱くタイプの人なんだよね。