くらし情報『【シネマカフェ的サントラのすすめ Vol.2】『イニシエーション・ラブ』『フォーカス』ほか』

【シネマカフェ的サントラのすすめ Vol.2】『イニシエーション・ラブ』『フォーカス』ほか

■『フォーカス』
既存の楽曲を劇中で効果的に使用するのも映画音楽のあり方のひとつだが、そういった作品のサウンドトラックは、オムニバスアルバムのようにさまざまなアーティストの楽曲を聴くことができるため、新しい音楽に出会うことができるいい機会だ。

これまで『フィリップ、きみを愛してる!』『ラブ・アゲイン』においても、センスのいい楽曲が劇中を彩っていたグレン・フィカーラ&ジョン・レクア監督。最新作『フォーカス』においてもそのセンスは健在で、ジャズやファンクなどのブラックミュージックを基調としながらも、全体としてバラエティに富んだサウンドトラックとなっている。60年代のシンガーであるバーバラ・ルイスの楽曲から、「Edward Sharpe & The Magnetic Zeros」といった00年代以降のファンクミュージック、さらに劇中で興奮のギャンブルシーンで流れる「Iggy Pop&the Stooges」の名曲“Gimme Danger”や、60年代のサイケデリックコンビIt’s A Beautiful Dayの楽曲など、楽曲セレクトのセンスが光る。物語の舞台がブエノスアイレスに移ると流れはじめるアルゼンチンなどいった南米のミュージシャンの楽曲も作品に色を沿え、サウンドトラックというよりかはむしろミックステープのような感覚で楽しむことができる一枚だ。

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