くらし情報『【インタビュー】松坂桃李 70年前のあの夏を駆け抜け、考えた「いま」』

2015年8月6日 20:00

【インタビュー】松坂桃李 70年前のあの夏を駆け抜け、考えた「いま」

松坂さん演じる若き陸軍将校・畑中は徹底抗戦を唱え、降伏を阻止すべくクーデターを目論むが…。

同じ原作を40年近く前の1967年に岡本喜八監督が映画化している。同作では当時20代前半の黒沢年雄が畑中少佐を演じており、“狂気”を帯びて決起する青年将校として描かれているが今回、松坂さんが体現した畑中は、狂気じみた様子を一切感じさせず、登場時はスポーツマンのような爽やかささえ感じさせる。そこにあるのは、ただ無垢で純粋すぎる正義感だった――。

「最初に原田監督から『畑中という男はとにかく純粋なんだ』というお話がありました。当時は選択肢があるような状況ではなく、自分で発言することも許されず、ただ上の命令に殉じるのみという中で、(内閣が)ポツダム宣言を受諾するとなった時、信じるべきもの、頼るものがなくなってしまった。そこから彼は誤った正義を持ってしまい、クーデターを試みたんだと思う。その純粋さを大事に演じました」。


歴史の“結果”を知る後世の我々から見れば、畑中の行動は世に混乱をもたらす反逆でしかなく、狭い視野での正義に過ぎないかもしれない。だが、その正義感は純粋無垢であるがゆえに危うく、悲壮なまでの覚悟を感じさせ、善悪を超えて心を揺さぶる。

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