【インタビュー】浅野忠信×深津絵里 “霊”ではじまる夫婦関係を演じて感じた自然とリアル
(幽霊として瑞希の前に現れたという)強烈な事実があるからこそ、僕がヘタに意識して何かをしてはいけないと。そこに描かれていることをただ、やる――その方が衝撃が伝わるんじゃないかと思いました」。
互いの芝居、リアクションに関しても「すんなりと入ってきた」と口を揃える2人。初めてここまで深く向き合い、セリフのやり取りをする中で見えてきたのは“似たもの同士”という感覚だった。深津さんは言う。
「同世代ということで近しい感覚は持ってましたが、役柄との距離感――入り込み過ぎず、でもきちんと温度を持ってというバランスが自分と似ているなと感じました。『うまくやる』ということを避けようとするところや、目に見えないことがすごく大切だと思っている、そういう部分も同じでした。待ち時間に特別話さなくてもそこにいるだけで安心感がありました。
それは夫婦という関係を築く上でとても大事なことですが、浅野さんはそれを“あえて”という風ではなく、体が知っているという感じで自然に理解し、できてしまうんです」。
浅野さんは「同世代の俳優さんに対してはどの方にも仲間意識を持っている」と明かすが、特に深津さんとは今回の共演を経て「さらに強い感情を抱いた」