2015年10月22日 20:00
【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?
彼女とは長い付き合い。だからこそ、この映画のように“時間”をテーマにした作品を作ることができたと思います」
――配役も面白いですね。特にスキャンダル報道の多いクリステン・スチュワートが、スキャンダル女優の話をする場面が面白かったです。キャスティングにはどのようなこだわりがあったのでしょうか。
「クリステンは初めからエージェントのヴァレンティン役をやってもらおうと思い、私からオファーしました。スターを探していたわけではなくて、アメリカの若い女優で、存在感のある女優を探していました。彼女はあの世代の女優では抜きん出ていると思います。小さな役ではありましたが、ショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』の時から存在感を示していましたし、ユニークな存在感のある稀有な女優だと思っていました。
ハリウッド映画に出ている彼女にとってインディペンデントな映画はリスクかもしれませんが、彼女の女優としての未来が少しだけ変わるような、今までの映画では与えられなかったものを与えてあげられるのではないか、と思いました」
――映像世界と現実、真実と嘘、表と裏の境界線がなくなるような世界に生きる女優たち。ときに、役と自分の境界線もあいまいになり不安定になることもあるように描かれていましたが、そこまで献身的なマリアのような女優をどう感じているのでしょうか。