くらし情報『【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?』

2015年10月22日 20:00

【シネマモード】フランス映画界の巨匠オリヴィエ・アサイヤスが語る“アクトレス”とは?

「現実に女優はそういう世界に生きていると思います。俳優にとって自分が演じる役と自分を同一視しないでいることは難しいのです。同一視という言葉が適切じゃないとすれば、女優は自分が演じる登場人物と自分を重ね合わせていると思います。そして、それを人生の一定時期に行い、そのように自分自身の二重化が起こる、二つの生を生きることになります。それはマリアだけではなく、芸術に携わる全ての女性の姿ではないでしょうか?」

――役を演じるに当たり、追い詰められる女優たちも側で観て来たと思いますが、監督は揺れ動く女優たちにどう寄り添うべきだと思うのでしょうか。
「私の場合、そのような問題に直面したことがありません。女優にしても、役になりきるまでの道があって、それを辿ってこなければ役になれませんが、その仕事は映画の撮影が始まる前に俳優が自立した形で行っていきます。撮影が始まった時に俳優たちは自分自身が演じなければならない役と和解していて、調和的な関係を持っています。
そこで、映画作家の仕事は俳優たちに自信を与えることです。それは映画作家が俳優に投げかける視線の質に関わってくるでしょう。女優であっても男優であっても映画作家の視線が、要求が高いものであることが重要です。

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