日本映画が映す現代の家族のカタチ…大きな愛を遺す母とダメ夫、まさかの同居人!?
の主人公、人気作家・津村啓こと衣笠幸夫の“言い訳”はずいぶんと厄介。不倫相手(黒木華)との密会中に知らされた妻・夏子(深津絵里)の突然の死。親友と出かけた旅先でのことだった。親友の遺された家族、夫の大宮陽一(竹原ピストル)は悲しみに暮れ、小学生の長男が幼い妹の面倒を見ている。幸夫は、この兄妹の世話を買って出る。
テレビにも出て、ちやほやされていたタレント作家は、団地住まいの大宮家へ通い、いつしか主夫のようになって一家に溶け込む。この不思議な“疑似家族”が、お互いの悲しみをいやしてくれるように見えたが、そうは簡単にいかないのがミソ。幸夫が乗り越えていく試練、大宮家が乗り越えていく試練がまた胸を打つ。
しかし、恋人と同棲する家に突然、父親が押しかけてきてしまったら、それは困りもの。『お父さんと伊藤さん』(10月8日公開)では、34歳の彩(上野樹里)と20歳年上の彼氏の伊藤さん(リリー・フランキー)の同棲先に、74歳の父(藤竜也)が転がり込み、奇妙な同居生活が始まる。頑固なお父さんは何かと小言が多く、とんかつのソースの味1つで言い争いに。そんな3人が狭いアパートで共同生活をする様子はおかしくもありながら、少しずつ涙腺を刺激。