【シネマ羅針盤】読み間違いも宣伝効果は抜群!『ラ・ラ・ランド』『ムーンライト』に追い風
前代未聞のハプニングで幕を閉じた第89回アカデミー賞から約1週間。ミスが起きた経緯の説明や“真犯人”の特定も済み、騒動はひとまず収束した。わずか“2分半”の間、作品賞に輝いた『ラ・ラ・ランド』だが、絶好のタイミングで封切られた日本で大ヒット中だ。
2月24日に全国約260館で公開された『ラ・ラ・ランド』は、前評判の高さやそれに付随するパブリシティの大量露出によって、映画興行ランキングで初登場第1位を獲得(興行通信社発表)。公開7日目の3月2日(木)時点で、早くも興収10億円を突破し、今年封切りの映画で最速の記録を樹立した。長編アニメを中心に、家族連れ向けの映画が増える春休みにおいて、「大人が観たいミュージカル」としてまだまだ数字を伸ばしそうだ。
そんな『ラ・ラ・ランド』の追い風になっているのが、例の作品賞読み間違い事件である。授賞式当日~翌日にかけて、普段ならオスカー関連のニュースをさらっと流すだけの報道系番組がこぞって“世紀の珍事”をオンエア。
また、作品賞が訂正された後の『ラ・ラ・ランド』チームの“神対応”にも称賛の声があがった。もし、間違えられた作品が『ラ・ラ・ランド』じゃなかったら…。