【インタビュー】ニコール・キッドマン「無条件に愛を捧げる」 母として思い込めた役
でようやく保護されたサルーを、夫のジョン(演:デヴィッド・ウェンハム)とともに養子として迎えるタスマニア在住の女性。その人物像は、自身も2人の養子を迎えているニコールとも重なって映るが、「(スーは)とても強い母性を持っていると思う。それが、私たちをつなげるベースの部分になったんじゃないかしら」と共通点をあげる。「私たちは2人とも、よき母親になりたい、心が温かくて思いやりがあって、無条件に愛を捧げたいという強い願望を抱えているの」。
とはいえ、「いままで、養子をとる母親、それも無条件に愛を捧げる強いパワーを持った母親というのは演じたことがなかったわ」と彼女は言う。「養子のサルーがスーに『自分の子どもを持つべきだ』と言ったときに、彼女はすぐに息子の言葉を止めたの。彼女は、欲しかったのは彼なんだって確認する。とてもシンプルなことなのよ。
子どもに捧げる母の愛は常に存在する。とても力強くて大切で、重要なメッセージが示されているのよ」。
そんなスーの役作りは、特殊メイクをして英国人作家ヴァージニア・ウルフになりきり、オスカーを獲得した『めぐりあう時間たち』のときとは、まったく逆のアプローチともいえるかもしれない。