2018年3月15日 08:00
【インタビュー】『リメンバー・ミー』リー・アンクリッチ監督 アニメーションは言葉を超えて感動を伝える
映画を観るほとんどの人々は、それに気づかないだろうし、その良さがわからないと思う。でも、彼らはそれを感じることが出来る。それは、ミゲルが本当にギターを演奏出来るということに信憑性を持たせるということだ。でも、映画を観たミュージシャンたちはとても興奮したよ。なぜなら、彼らは、それがまさに正しいことがわかるからだ。
インタビュー中、アンクリッチ監督の「信憑性を持たせる」という言葉がすごく印象的に響いた。当たり前のことだが、アニメーションはファンタジーでありフィクションである。だから一瞬でもその夢が醒めてしまったら、ストーリーが進んでいっても「置いてけぼり」をくらってしまう。
ストーリーの中に自分を置くことができないのだ。しかし、細部にまでこだわったリアルな映像や血の通ったキャラクターによって、その醒める隙を与えることなく、観客をストーリーに引き込んでいく。その観客を引き込む力をピクサーのスタッフは多角的に構築していくのだ。
言葉で語らずに「見せる」こと
『トイ・ストーリー3』で、焼却炉を目の前にしたおもちゃたちが、もはやなす術もなく手を繋いで死を覚悟するシーンなどがあったが、アンクリッチ監督&アンダーソン氏はそのような“緊迫感”や“危険性”は言葉で語らずに、映像で見せることを大切にしているという。