2018年3月30日 07:45
【インタビュー】松坂桃李「悔いはない」――R18+は俳優人生で大きな一歩
苦笑交じりに話す松坂さんを眺めていると、「断る選択肢も、あったのではないか?」と、ふとよぎる。聞けば、「それはないです。いま、このタイミングで僕にお話が来たのは、本当にラッキーだと思っていました」と松坂さんは即断。実のところ、この有名すぎる原作には、これまで何度も映像化の話が出ては沈んでいったという。松坂さんがこうして運命的に巡り合った「ラッキーな」タイミングだったとも取れるし、『娼年』が、いまの「松坂桃李」という演者の出現を待っていたかのようだったとも言える。人間の欲望を柔らかく受け止め、柔軟に変化をし、ときに現実との分断に惑う。苦悩を持ち、美しく魅力的なリョウを演じられる役者は、後にも先にも、彼しかいないはずだ。
以前のインタビューで、松坂さんは「20代最後の年は、いろいろチャレンジしていきたいんです」と語っていた。
まるで、その答え合わせをするかのような言葉が続く。
「20代後半から“いろいろな色の役や作品をやっていこう”とマネージャーさんとも話をしていた最中にいただいたお話だったので、これは本当に、30代に向けてすごくいい経験になると思いました。出来る限りのことをやりました。…20代後半でやれることは全部やったので、ある種、悔いはないです。