2018年3月30日 07:45
【インタビュー】松坂桃李「悔いはない」――R18+は俳優人生で大きな一歩
一枚岩となったふたりの目指すべきポイントは「舞台のときと同じ」ではいけない。それ以上まで持っていくことが、松坂さんと三浦監督の共通認識として強くあった。「舞台のときに、ある種、僕も三浦さんも完全燃焼した部分があった」と満たされた想いを持ちつつも、松坂さんはもっと先の景色を見ようとする。
「映画の内容は舞台とほぼほぼ変わらないんですけど、舞台のときは一方からの目線というか、俯瞰からでの表現をしなければいけなかったんです。今回はリハーサルをやっていく段階で“より成長課程を繊細に見せられる”と、三浦監督と決めましたし “舞台とは違って、より高いハードルをかけにいくから”みたいな話もされました。特に気をつけたところは、領の微妙な表情です。僕が今回、一番大事にしている部分でもあったかもしれません」。
松坂さんが語る通り、領が少しずつ、少しずつ変わっていくさまは、手に取るように丁寧に伝わる。
その道に導いた静香の教えを忠実に守りながら、自分なりに女性と丹念に向き合っていく所作にも目を奪われるし、心をときほぐしていくような声のトーンも…、とかく演技のうまさに脱帽する。「領って、大きな海みたいな青年だと思っています。