2019年7月22日 21:00
エミー賞本命!視聴者の心を翻弄しながらアラサーの日常をコミカルに描く人気ドラマ「フリーバッグ」
ジョークを交えることで見えてくる人間臭さ、それが彼女の作家性の1つともいえる。
「Fleabag フリーバッグ」では、主人公フリーバッグがジョークをよく言うキャラクターとして描かれ、姉のクレアからはいつも「ジョークを言うのをやめてくれ」と怒られる。それでもついついジョークを言ってしまうフリーバッグと、それに対する姉クレアの取り乱し方は、どこか滑稽にも見える。はたから見るとジョークだし、誰も傷つけていないならそんなに気にしなくても良いのでは?と思うのだが、痴話げんかの中に、姉クレアが抱える複雑な事情がちらりと垣間見える。視聴者もついつい、「ハハハ!」と面白おかしく笑ってしまうが、そのあとに見えてくる人生への鋭い指摘にグサッと心を刺されるのもこの作品の凄いところだ。まさに「ハッと息を飲む」、コメディドラマなのにそういう瞬間がある。笑ったことを少し後悔しそうになるところもフィービーらしく、一本取られたと頭を抱えてしまう遊び心。他人事として笑っていたら急に矛先が視聴者の日常に向けられる仕掛けがあるのだ。
ドラマを見終えた視聴者に待つもの
「フリーバッグ」はシーズン2で完結のドラマである。これは、フィービーも認めている。