【インタビュー】豊原功補 日本映画の“景色”を変えるための覚悟<前編>
「こうやって取材を受けて、ご質問をいただくことで、改めて対峙すべきことが明確になった気がします。いや、“敵”という言葉をあんまり使うと叱られそうですけど(笑)、(会社組織にしたことで)そういう対象がよりハッキリ見えるようになったのかなと思います」。
「映画というのは大きくて歴史の長い、世界的なマーケットです。現状、いま、日本の映画界が何か大問題を抱えて映画が作れないような状況かと言うとそうではないし、動員数だって伸びているという話もあるわけです」。
「でも、『日本映画』に限って捉えると、僕が俳優を始めた10代の頃、もう30~40年前の時代にワクワクしながら背伸びして、大人の世界を覗き見ていた時代とは、ずいぶんと景色が変わってきているということは感じていました」。
「(映画のターゲットとなる)対象が若いというか、1人よりも2人、2人よりも3人、4人、5人で見に来られるような内容を目指している作品が大部分で、そうなると最大公約数的な映画というか“簡単な映画”になってしまうのは必然ですよね。自分のような人間が楽しめるような映画が確実に減っているんです」。
苦難の道を選んでも歩みを止めない理由
観客の減少に伴い、かつて隆盛を誇ったミニシアターが次々と閉鎖されていく。