舞台出身の『サラブレッド』監督「空想や雰囲気を描き出すのは映画の領分」
と打ち明ける。
撮影監督に、学校を舞台にしたゾンビコメディ『ゾンビスクール!』や女性監督アナ・リリー・アミールポアーの『ザ・ヴァンパイア残酷な牙を持つ少女』『マッドタウン』などを手掛けたライル・ヴィンセントを迎えたことも「幸運でした」とふり返る。「彼の想像力と優れた技術のお陰で、登場人物達の心理状態と同じぐらい堅苦しく歪んだ視覚世界を生み出す事が出来ました」。
「複雑で力強い形で表現してくれた」俳優陣を絶賛
また、「アマンダとリリーに大きな恐怖を感じつつ、同時に深い愛情も感じているんです」と監督。二人の少女たちは、「私が自分自身に抱いている疑念という最も暗い感情を体現したキャラクター」なのだという。「本作は倫理観に関する哲学的な会話劇になりました。そして、“もしも感情の配線がねじれていたとしたら、私は悪い人間という事になるのか?” “善悪の判断に感情的な直観は必要なのか?” “客観的な視点は倫理的な決断を下す際に本当に役立つのか?”といった、考えると夜も眠れなくなるような疑問に関わる会話劇でもあります」。
さらに労働者階級のドラッグの売人ティムとの対比に象徴されるように、「私の抱く恐れには常に富と特権が大きく関わっています。