2019年10月23日 17:00
映画大好き少年からマーベルの社長へ ハリウッド席巻中のケヴィン・ファイギに注目
仕事内容は主に夫妻が愛するワンコの散歩と洗車だったらしいが、「業界内の仕事」であることには変わりない。
持ち前の粘りで2年間の“お手伝い係”を全うしたケヴィン少年は、やがて夫妻から有給の製作アシスタントとして雇われることになり、熟練プロデューサーだったローレン夫人のもとで働くことになる。
当時『X-MEN』のプロデュースを手掛けていたローレン氏は、ケヴィンが持っていたマーベル・ヒーローの知識に感服しアソシエイト・プロデューサーとしてケヴィンを起用した。ケヴィンはそこで、製作総指揮にあたっていたマーベル・スタジオのCEOアヴィ・アラッドと運命的な出会いをすることになる。
コミック・ヒーローに対する豊富な知識はもとより、ケヴィンの誠実さ、気転の速さ、そして映画に対するセンスを感じたアラッド氏は、ケヴィンにマーベルへの入社を勧めたのである。
マーベルの苦難とスーパー・プロデューサーの誕生
話しは多少前後するが、ここでまだケヴィンがマーベルへ入社する前の1996年に時を遡る。それは、マーベル・スタジオがまだマーベル・コミックスだったころだ。
この年、同社は破産申告をする憂き目に遭っていた。