くらし情報『岩井俊二作品はなぜ人の心を捉えるのか?『ラストレター』から読み解く“岩井美学”』

2020年1月17日 08:15

岩井俊二作品はなぜ人の心を捉えるのか?『ラストレター』から読み解く“岩井美学”

そのダークサイドの色調は作品に影を落とすが、終幕後に深い余韻を残しながらもある種の清々しさを感じさせてくれるのは、 “岩井美学”が醸し出すピュアな透明感のおかげなのではないだろうか。

岩井作品のベスト盤
最新作『ラストレター』

岩井監督による最新作『ラストレター』は、最後の手紙に込められた“初恋の記憶”をつづった珠玉のラブストーリーだ。姉・美咲を亡くした主人公・裕里(松たか子)と、その初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)、そして美咲の娘・鮎美(広瀬すず)の三者の間で手紙が交差することで、淡い初恋の思い出が鮮やかに甦る。

「手紙を書く」という所作に絵画的な美しさを感じ、「手紙を読む」佇まいが好きだという岩井監督。

『ラストレター』製作へのきっかけとなったのは、2017年に発表された監督初となる韓国ショートフィルム『チャンオクの手紙』。手紙が重要な役割を果たすこの物語をさらに発展させることを思いついた監督は、同じく手紙が鍵となる『Love Letter』(1995年)を意識しつつ、まず原作本となった小説を書き上げたのだという。

また本作では『Love Letter』では踏み込まなかった、人の心の闇にまで触れている。

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