池井戸ドラマの元祖にして王道「半沢直樹」VS 正義と必要悪に葛藤する主人公を描く異色作「鉄の骨」
小さな町工場や存続の危機に陥った実業団スポーツチームなど、“弱小”とも言える立場の人々が巨大な悪や強力なライバル、不条理とも言えるような危機的な状況に立ち向かう姿に視聴者は感動を覚え、最後にガツンと悪を成敗し、勝利をつかみ取るさまに爽快さを感じてきました。
前作の「半沢直樹」も、大手銀行に勤める主人公・半沢(堺雅人)と仲間たちが「倍返し!」を決めゼリフに、焦げついた5億円もの融資の回収、経営の傾いたホテルの再建に奔走するというストーリーであり、最終話で半沢が“ラスボス”の大和田常務(香川照之)の不正を暴き、土下座を迫るシーンは大きな話題を呼びました。
続編では、前作のラストで子会社「セントラル証券」への出向を命じられた半沢の新たな戦いが描かれます。IT企業による1500億円規模の敵対的買収、そして航空会社の再建が本作の題材となるようですが、やはり視聴者が待ち望んでいるのは絶体絶命に陥った半沢が巨悪に立ち向かい、「倍返し」をするさまでしょう。元祖にして王道の池井戸ドラマがもたらす爽快感に期待が高まります。
「正義とは何か?」を問う「鉄の骨」
一方で、そんな池井戸作品の「勧善懲悪」というセオリーから外れた異色の作品と言えるのが「鉄の骨」