2020年4月27日 12:00
人気俳優パク・ソジュン主演!青春“反撃”ドラマが大ヒット「梨泰院クラス」の魅力
「自分の価値は自分が決める」…『パラサイト』への痛烈なリプライ
『パラサイト』でキム一家の父を演じたソン・ガンホはシネマカフェのインタビューで、誰もが愕然としたクライマックスの展開を「これぞ、正解だ」と感じたという。「なぜなら、私たちが生きる現実世界は、映画のクライマックスをも上回るほど、残酷で冷酷だからです」。
そう、現実はあまりにもつらく、残酷だ。今作のセロイのような何も持たざる者が国内トップ企業に挑み、復讐しようとするなんて無謀、不可能といっていい。現実世界ならば、“銀のスプーン”をくわえて生まれてきた長家グループ御曹司のグンウォンは何事もなく、他者を蔑みながら(父の影に怯えながら)トップに君臨し続けるだろうし、『パラサイト』のパク家もどこかでまた同じような暮らしを(トラウマを抱えながら)続けていくだろう。一方のキム家は、一生、あの半地下から抜け出すことはできないだろう。
それでも、今作は経済や学歴の格差などによって、あらかじめ“定められてしまった人生”にも反旗を翻す。長家グループのデヒ会長は、刑務所に収監されたセロイに向かって「信念や気合いは弱者の強がりに過ぎない」と言い放つが、セロイは信念を胸に、傍目には恵まれた環境を放棄したイソをはじめ、様々な境遇やジェンダー、人種を越えて結ばれた仲間たちとともに“自分の人生”を生きようとする。