くらし情報『『WAVES/ウェイブス』に込められた、フランク・オーシャンへの熱烈な想い』

『WAVES/ウェイブス』に込められた、フランク・オーシャンへの熱烈な想い

そうしたフランク・オーシャンのアーティストとしての特質は、『WAVES/ウェイブス』の主題や作品の成り立ちそのものとも強く共鳴し合っている。

『WAVES/ウェイブス』を語る上でもう一つ避けて通れないのは、これが「白人の映画作家によって描かれた、黒人の家族のストーリーである」ということだ。もちろん、作者のアイデンティティによって語ることができる対象を限定してしまうのは誤ったポリティカル・コレクトネスの援用に他ならないし、実際に本作に対してはソーシャルメディア上でトラヴィス・スコットが熱烈に支持を表明するなど、必ずしもブラック・コミュニティから拒絶されているわけではない(一方で、ブラック・カルチャーの専門家から「黒人の家庭なら子どもは母親にこんな振る舞いはしない」というような、かなり説得力のある意見も個人的に耳にした)。いずれにせよ、トレイ・エドワード・シュルツは『WAVES/ウェイブス』において、自身の極めてパーソナルなストーリーを、主人公タイラーやその妹エミリーの恋人に投影させ、そこにさらに最愛のミュージシャンであるフランク・オーシャンのサウンドとリリックとイメージを重ねるという、かなりトリッキーな試みに挑戦している。

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