【レビュー】『ブックスマート』オリヴィア・ワイルド監督が作りあげた“私たち”の最高な青春映画
“俺たち”はもう十分!?“私たち”の青春映画爆誕!
オリヴィア監督は「『ビバリーヒルズ・コップ』や『リーサル・ウェポン』などを参考に、性格の異なる2人が、命がけの状況でお互いを補い合う姿を描きたかった。“ガールズ映画を作ろう”という考えはなかった」と語っている。実際にモリーとエイミーを待ち受ける怒涛の一夜の冒険は、爆笑あり、アクションあり、危険すぎる駆け引きあり、セクシーな妄想あり、そしてズキュンと胸に来る10代の痛みありとワイルドに盛り沢山。
しかも、その展開はビーニーの兄ジョナ・ヒルの出世作『スーパーバッド童貞ウォーズ』をほぼ踏襲しているところがまたユニークだ。オープニングで相棒エバン(マイケル・セラ)が車で迎えに来るところや、憧れの人(エマ・ストーン)のパーティーに是が非でも行きたいのに、なかなかたどり着けないところ、ぎこちない初体験…といったシーンの数々が本作ではモリー&エイミーVer.で書き換えられている。
また、オリヴィア監督は自身が影響を受けた青春映画として、それまで話したこともなかったタイプの違う学生たちの補修授業の1日を描く『ブレックファスト・クラブ』(85)