【レビュー】『ブックスマート』オリヴィア・ワイルド監督が作りあげた“私たち”の最高な青春映画
などを手掛けてきた女性たち。
そして、脚本にはミラ・クニス&ケイト・マッキノンによる女性コンビを描いた『バッド・スパイ』監督・脚本のスザンナ・フォーゲル、製作陣のひとりでNetflixのスマッシュヒット映画『ロマンティックじゃない?』『セットアップ:ウソつきは恋のはじまり』のケイティ・シルバーマンら、気鋭の女性クリエイターたちが結集している。いずれも女性主人公がこれまでにない活躍を見せ、既存の価値観に一石を投じていくものだった。本作でオリヴィア監督や女性スタッフ陣が次世代俳優たちと作りあげたのは、まさにその系譜で“私たち”の青春の一夜だ。終盤、ある女性がある事件を機に“英雄”と呼ばれるのも(決して“女神”ではない)、実に本作らしい。
この青春映画の新たな金字塔を、リアルタイムに自分事として触れることのできる世代が心底羨ましい。本国から約1年遅れをとってしまったが、日本の劇場がドッカンドッカンと楽しい笑い声で沸く日が本当に楽しみだ。
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は8月21日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。
(text:Reiko Uehara)