2020年12月8日 17:15
【インタビュー】「コールドケース3」波多野貴文監督、「5人いれば5人の人生がある。そこはこだわったところです」
でも撮りながら工夫して増やした感じですね。シリーズが続いてるので、安心してできる仕掛けではあります。マンネリ化しないようにと。
――その意味で、今回の演出で一番こだわったところはどこでしょうか?
難しいですね(笑)。全部で10本で、僕は5本分ですけれど、過去の事件を掘り起こした際に、当時の社会環境とは適度な距離を保っている刑事たち5人がメインキャストなわけです。その入り込み具体と仕事として距離を取っている姿勢については、いつも気にかけています。もともとはサラリーマン刑事を目指していたので、事件バカになりすぎないようにしたかったんです。刑事であることが人生の全てではなく、普段の生活もありつつ捜査もしているところもあるはずで、しかも5人いれば5人の人生がある。
そこはこだわったところです。
あとは視聴者の方々の目線を大切にしていますね。こちらの独りよがりにならないことを心がけています。
――そのニュアンスは、5人のみなさんとどう共有したのですか?
何をもって正解かは本当に難しい作業なので、撮影の時のディスカッションでお話をするしかないんですよね。みなさんの心のひだの奥にあるものが表情に出て、それを上手く画におさめて伝えられればと思っていました。