峯田和伸「セリフがないシーンはやっぱり楽しい」『越年 Lovers』何度も撮り直したシーンとは?
また、寛一と碧はクライマックス後、東京と山形で2人はどうなっていくと思うか、という質問には、「碧を東京に呼ぶんじゃないですかね。山形に帰るっていう物語よりも、碧が決心を変えて、つつましく東京で二人が…みたいな物語の方が浮かぶかな…たまに二人で山形帰るみたいな」と想像した。
本作では、何度も撮り直しをした場面があったそう。それは、寛一と碧がこたつに入りながら無言でお雑煮を食べるシーン。これをふり返り「餅を食べるという物理的なこと以外では、やってるほうは楽しかったです。セリフがないシーンはやっぱり楽しいです。武器がないから。言葉がなくなって、じゃあどうやってそれで二人の関係性をあらわすかってなると、動きとか目線だけでしょ。
伝達は、言葉があれば簡単ですけど、でもそれが取っ払われて…そういうときってやっぱ燃えますよね。どうやって二人の空気感を表せられるかなみたいな」と明かし、「何回かやるうちに監督が取りたいのはこういう雰囲気の画なんだろうなってわかる」と話しつつ、「本当に何度も撮ったと思う。その分いっぱい食べるんで、お腹がパンパンでした笑」と笑顔を見せた。
そして最後に、「ストーリーを楽しんでもらいたいのは勿論ですが、旅行に行きたいなぁと思っても、新型コロナの影響で、海外はもちろん国内旅行もなかなか行けなくて、そういう人が旅行に行く感じで、それぞれの街の映像を楽しんでもらえたら嬉しいです」