タランティーノが惚れこんだ新ヒロイン メラニー・ロラン『イングロリアス・バスターズ』
「この映画に出たことで喜怒哀楽の表現がものすごく豊かになったとか、そういうことはないけれど、例えば撮影現場に行くことがとてもワクワクするような、そんな感情を持てたことは大きいわ。しかも私だけではなく撮影現場の全員がそう感じているって凄いことだと思わない?それに今回のように撮ってもらったのは初めてだし、今回のようにリスペクトしてもらったのも初めてだったわ」。
彼女が演じるのはナチスに家族を虐殺され、その復讐の機会を目論むショシャナ。オーディションで勝ち取ったこの役は、ブラッド・ピットやクリストフ・ヴァルツの演じる役に比べると控えめなキャラクターだが、彼らの個性を映えさせるためのリアリティを請け負っている役柄でもある。実際、タランティーノはショシャナ役にリアリティを求めていた。最初からユダヤ系の女優を探し、彼女と巡り会い、いまではその才能にぞっこん。2人のショシャナという女性に対する解釈が一致していたこともメラニーが抜擢された理由だと言う。
「実はオーディションのときに私なりにショシャナを解釈して演じていたの。
内に感情を秘めている…という感じをね。最終的には監督の解釈と私の解釈は合致していたみたい。