【インタビュー】『やすらぎの森』は「誰にでも当てはまる物語」ケベック出身の監督が惹かれたテーマ語る
ケースバイケースだと思いますが高齢の俳優たちとは、そういったテーマについて話し合いました」と慎重に答える監督。
「鳥肌が立つほど驚いたのは、撮影の数か月後にアンドレに癌が見つかり、その1年後に尊厳死を選び、医療的幇助を受けて亡くなったことです(※カナダでは尊厳死は合法化されている)。癌で旦那様を亡くされていたので、同じように死ぬのは嫌だと思っていたそうです。人生最後の日は家族に囲まれ、歌を唄って、笑って亡くなったと聞いています」。
「訃報を聞いた時はもっと彼女と話したかったと思って悲しく辛かったのですが、同時に、これは私のエゴなのだと思いました。この映画はフィクションですが、アンドレはマリー・デネージュという役を経験して学び、自分の選択ができたのだと思います」とアンドレを思いながら言葉を紡ぎ、「ただ『死が選択できるなら、それでいい』という話ではなく、もちろん、生きる希望を与えることも大事だと思います」と続ける。
ちなみに、劇中ではマリーを森に連れてくる甥、スティーヴがアジアに憧れを抱いている様子が伺えるが、「日本は大変興味深い国のひとつで、私は日本の文化が好きです」と監督。「生活様式が非常に美しいと思います。