2021年6月30日 18:30
変幻自在ファン・ジョンミンに迫る!ドラマ「ハッシュ」から最新映画『人質』まで
苦楽を共にした舎弟(イ・ジョンジェ)の正体を知りながらも“愛した”男が、狂気を剥き出しにする終盤のシーンは伝説的。
また、『甘い人生』(2005)で演じた、イ・ビョンホンを敵対視する口元に大きな傷のある暴力団のペク社長は「人生は甘くない」と最後まで憎たらしさを纏っていた。だが、まるでヤクザ者以上に強欲で容赦のない『アシュラ』の悪徳市長パク・ソンベにはどれもかなわないかもしれない。
頼りになる!ファン・ジョンミン
刑事ドラマの監修を頼まれるほどのベテラン刑事ソ・ドチョルと彼の捜査チームが、大財閥の問題多き御曹司チョ・テオ(ユ・アイン)と壮絶な対決を繰り広げる『ベテラン』。明洞のような繁華街でのド派手カーチェイスに、路上の大乱闘シーンは圧巻で、庶民派刑事が“悪”を懲らしめる構図は後の『エクストリーム・ジョブ』『ガール・コップス』などにも踏襲されている。『生き残るための3つの取引』(2010)に続いてリュ・スンワン監督と組んだ快作。
また、修羅の世界だけではない。『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』(2015)では実在する登山家オム・ホンギルを熱演。
兄貴(ヒョン)と呼びたくなる、頼りになる懐の深さや、極限の中で幾度も自分自身と闘ってきた経験値の体現は説得力たっぷり。