2021年7月16日 14:00
【レビュー】『ブラック・ウィドウ』生身のヒーロー“ナターシャ・ロマノフ”に触れる最後の旅路
との会話の中で度々言及されてきた因縁深い場所でもある。
エレーナ役は、『ミッドサマー』や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』で注目を集めたフローレンス・ピューだ。監督はフローレンスについて「パンクロックのような感性」の持ち主で、「とても知的ですが、ルールを破る人でもあります」と評する。「スカーレットには、彼女に匹敵する人がいたんですよ。スカーレットが楽勝するんじゃなくね。だから、セットで、そしてスクリーン上で彼女たちが一緒にいるのを見ると、とても刺激的な関係であることが分かります」。
例えば、『アイアンマン2』から“姉”ナターシャが見せてきたキメのヒーローポーズを、「いつものあれ、何?」「髪をパサーって」「人目を意識して」などと茶化すことができるのはフローレンス演じるエレーナだけ。
確かに、これまでのナターシャは観る者を意識しているかのような闘い方やポーズを要求されてきたように思う。
でも、今作では違う。監督も言うように、今回のナターシャはエレーナ、そしてアレクセイ、メリーナとも久しぶりに再会し、これまでにない素顔を見せ、悲しみや苦痛で何度も顔を歪める姿を余すところなく見せている。