【シネマモード】秘密にしたい若気の至りを描くセレブ監督に注目。夫はあの人…。
彼女の正体は、女優として活躍した後、脚本家、監督業で頭角を現しはじめた人物。ストーリーテラーとしての腕は、脚本を担当した『プルーフ・オブ・マイライフ』などで実証済み。さらには、戯曲家アーサー・ミラーの娘にして、ダニエル・デイ=ルイスの妻という、超セレブ監督なのです。
まず、本作を映画化する前に、小説として原作である「The Private Lives of Pippa Lee」(映画の原題でもあります)を書き下ろしたという彼女。初めて構想を持ち始めたのは、いまから10年以上前、20年ぶりの旧友たちと再会したときだそう。「“若い頃は、無責任な行動ばかりとっていた子が、立派な母親、妻になっているのを見て、いったい何が起こったんだろう”と思ったの。ひとりの人間のアイデンティティがこれほどまで変わった時、果たして内面も本当にかわるのかしら」と。
このテーマに関心を持ちながらも、ピッパ・リーという重層的な女性を描くのには、かなり苦労したと言います。
「若き日の彼女と年齢を重ねた彼女、2人の人物を描かなければならなかったから。まったく違う人物なのに、同一人物だし。同じ人物だと思ってほしいわ。これは、 私たちにも、よくあること。