2021年11月25日 17:00
【映画と仕事 vol.12】字幕翻訳者・高内朝子インタビュー 時代背景や文脈、シチュエーションに合わせた柔軟な字幕を
続いては“スポッティング”という、ハコ割りどおりに字幕を出すためのタイミングを入力していく作業です(制作会社にお願いできるケースもあります)。タイムコード入りの映像と組み合わせながら、字幕制作ソフト上で(字幕の)イン点、アウト点というのを決めていくと、この字幕にだいたい5秒かけられるとか、この字幕は1秒半しか使えないといった秒数や文字数が表示されるんです。
それを終えたら翻訳作業に入ります。作品によって訳しながら調べなくてはいけないことが非常に多い場合は交渉して少し翻訳の期間を延ばしてもらうこともあるんですが、今回の『フォーリング 50年間の想い出』に関してはそこまで引っかかる部分もなかったので、わりとスムーズに、10日前後で翻訳の作業ができました。
『フォーリング 50年間の想い出』
その後、制作会社のチェックが入ります。その過程で例えば「ここは横字幕になっていますが、テロップが入るので縦にしましょう」という修正(※縦の字幕になることで表示できる文字数は減る)が入ったり、「このシーンは字幕が俳優の顔にかかるので、もう少し右に寄せましょう」といった指摘が入ったりします。
表記のミスなどについてのチェックもありますし、表現に関しても「もう少しわかりやすく」