【映画と仕事 vol.14】史上最大級の“死んでいる”怪獣をどうつくるか? “バカバカしさ”を求めた三木聡監督に造形師・若狭新一が示した答え
みたいな表記になったりしますね。実際、僕自身も特殊メイクの仕事もしているので、遠からずという感じではあるんですけど。
――若狭さんが造形師を志すようになったきっかけを教えてください。
僕は1960年生まれですから、5~6歳で「ウルトラQ」、小学生に上がったら「ウルトラマン」の放送が始まって、空前の怪獣ブームがあって…。1960年代生まれの少年の基本という感じで、大人になるまでそういう存在を激しく味わってしまったというのが大きいと思います。
こうしたブームのおかげで、当時は「少年サンデー」や「少年マガジン」といった漫画雑誌のグラビアで、怪獣を作るスタッフの人たちが紹介されていたんですよね。「ウルトラマン」の怪獣にせよ、「仮面ライダー」の怪人にせよ、それらがどうやって作られたのか? ということは、ベールに包まれているわけでもなく明らかになっていたんです。それもあって僕自身は、小学生の低学年の頃から、この仕事に興味はありました。
――以前は着ぐるみで撮影されていた怪獣ですが、本作『大怪獣のあとしまつ』を含め、いまや怪獣映画に登場する怪獣は、ほとんどがCGで制作されているそうですね? 改めて「怪獣造形」