【映画と仕事 vol.14】史上最大級の“死んでいる”怪獣をどうつくるか? “バカバカしさ”を求めた三木聡監督に造形師・若狭新一が示した答え
という仕事は、映画制作のプロセスにおいてどのようなことをする仕事なのでしょうか?
まず、監督やプロデューサー陣が打ち合わせをして「こんな怪獣にしましょう」というデザインを決定し、その上でプロダクションが「誰にこの怪獣を作ってもらうか?」というのを決めます。監督やプロデューサーの過去の人脈やこれまでの実績などを元に「怪獣造形」のスタッフを決めるわけです。
――その依頼が今回、若狭さんの元に来たということですね?
ただ、今回の三木組で言うと、その前の段階の最初の怪獣のデザインがなかなか決まらなかったんです。デザイナーが描けども、描けども、決め手に欠けて三木さんは「うーん…」という感じだったそうで…。スタッフの中に特撮監督の佛田洋さん(「スーパー戦隊」シリーズや「平成仮面ライダー」シリーズ、『男たちの大和/YAMATO』などの特撮を担当)がいて、佛田さんから僕のところに「最初のデザインのところから一緒に入ってほしい」という連絡があり、通常とは少し異なる形ですが、最初の怪獣のデザインから参加することになりました。
――大怪獣を一から形にするところから、若狭さんが入ったわけですね? 具体的にどのように怪獣をデザインしていったのでしょうか?
まずはコンセプトですね。