【文豪を演る】インタビューvol.5 成宮寛貴 as 森鷗外 クールと必死の間で…
(Photo:cinemacafe.net)
日本の近代文学の巨匠たちの作品の中でも“短編小説”にスポットを当て、旬の俳優を配してオムニバス形式で連続ドラマ化した「BUNGO-日本文学シネマ-」がBS-TBSで放送されている。連載5回目を迎えるキャストインタビューに登場してくれたのは成宮寛貴。“文豪”と呼ぶにふさわしい明治、大正期の作家・森鷗外の「舞姫」と並ぶ代表作「高瀬舟」に主演している。100年近くも前に発表されたにもかかわらず、見事なまでに現代を生きる我々こそが考えねばならない問題を提示するこの名作を、成宮さんはどのように捉え、演じたのか?
成宮さんが演じたのは、実の弟を手にかけ、流罪を言い渡された喜助。病を抱え、死を望んで目の前で苦しむ者に対してすべき“正しい行い”とは何なのか?成宮さんも慎重に言葉を選びつつ、この物語が提起している問題についてこう語る。
「早くに家族を亡くしたという境遇など、主人公に対し非常に感情移入してしまう作品でした。それを含め、もし僕が喜助と同じ状況に立たされたら…彼と同じ選択をするかもしれない。殺人はもちろんいけないことなのだけれど、考えた末に弟のために手を下して、そして罪を償うというところがすごく切なくて…。