2022年5月16日 08:00
【ネタバレあり】マルチバースは見どころ満載『ドクター・ストレンジMoM』6つのキーポイント
おそらくストレンジもあの選択は本当に正しかったのかと、『エンドゲーム』後、秘かに自問してきたはず。だが、ワンダにはっきりと言われてしまう。愛する人の額に穴を開けるほどの犠牲を払ったのに、自分は何も報われなかった、と。
本作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下、『ドクター・ストレンジMoM』)では、別の宇宙からやってきたアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)がマルチバースを行き来できる能力を持つことを知り、スカーレット・ウィッチはそのパワーを奪おうとする。劇中で“夢は別の宇宙の現実”と触れられているように、毎日夢に現れるどこかの宇宙にいるトミーとビリーと再び暮らすことが彼女の唯一の願いとなった。
スカーレット・ウィッチ=ワンダは最初こそ誰も傷つけないと語っていたものの、やがてアメリカ・チャベスを保護したカーマ・タージや、後述する「イルミナティ」のメンバーらに大虐殺を行ってしまう。ただ家族と一緒に暮らしたい、母親として再び幸せになりたい。彼女のそんなささやかな、二度と叶わない願いが、本作で描かれたマルチバースの狂気のきっかけとなってしまった。
自らの過ちに気づき、アメリカの導きでアース838のトミーとビリー、そしてワンダ自身と対面したことでついに改心したワンダは、全ての宇宙の「ダークホールド」