2022年12月6日 12:00
【インタビュー】山田裕貴×松本まりか「自分がいた」映し鏡のトップランナーたち 極限状態から脱し紡いだ『夜、鳥たちが啼く』
有難いことではあるのですが。けど、そうした理解できないことを彼には全部言えたというか、言わなくても「ああ、分かってるなあ」という感覚があって、私はすごく救われましたね。山田:そうだったんですね。僕はこれが「すげぇタイミングだな」と思ったのは後からだったんですよ。
松本:そうなんだ!
山田:何なら今改めて話すことで、すごく感じています。僕は、自然にその時間が大変という感情や思いを一切感じずに作品ができていたのが、すごく不思議だったんです。だからこそ、「あぁ、まりかさんだったからだ」、「まりかさんのそのタイミングだったからだ」と思いました。
だから、本当に僕も救われていたと今思い返してみてすごく感じます。
大変だと感じなかった分、あのときは救われてるとすら感じずに、その時間を楽しくいることができました。
――慎一は「君が俺を好きなんだからわかってほしい」、「愛しているんだからわかってほしい」という強い思いを前の恋人に持ちぶつけていました。裕子に関しては、詳細の描写はないものの、元夫へ言いたいことを伝えないまま離れた印象です。近しい人だから「わかってくれるだろう」と思ってしまうことはままあることですが、おふたりは特に親しい人とのコミュニケーションにおいて、意識していることはありますか?
松本:あの、、、実は、この数年自分のプライベートはないものと割り切っていて、プライベートで誰かに会おうなんて思わないというか(笑)