2022年12月18日 16:00
『すべてうまくいきますように』『愛、アムール』ほか“人生の終い方”に迫る映画6選
自身と父親が実際に経験したことを基に執筆され、ドキュメンタリーのような内容となっている。
彼女はフランソワ・オゾンと『まぼろし』『スイミング・プール』『ふたりの5つの分かれ路』、さらに『Ricky リッキー』で脚本を共同執筆するいわば盟友関係だったが、本作映画化企画中にがんと診断され、映画完成を待たずして旅立ってしまった。
オゾン監督はインタビューで、「エマニュエルはこの本の映画化に興味があるかと僕に尋ねたんです。美しい映画になる確信があったけれど、あまりにも彼女自身に密着した内容だったし、その時点では、どうやって自分のものにできるか僕にはわからなかった」と一度、映画化権を別の人間に託したことを明かしていた。
しかし、「エマニュエルの死、彼女の不在によって、もう一度彼女と共にいたいと感じたんだ。それにたぶん、人生経験を積んで彼女の物語により深く没頭できるようになったと感じたからかな。映画化する本については時間が必要なことが少なくない。熟成させ、どうすれば自分のものにできるか考えるためにね」と、親しき友の死をきっかけに心境の変化があったことを教えてくれた。
娘を演じるのは、『ラ・ブーム』(82)