2010年5月21日 15:35
【シネマモード】フランス映画界の異端児に直撃! 「敵が僕を強くしてくれるんだ」
それも、最初からドーンとスピードを上げていくもの。そういうタイプの絶叫マシーンが個人的に好きだからね。きちんと座って、シートベルトを締めていないと振り落とされるよ!」
いたずらっぽく笑う監督ですが、実はテーマはかなり神秘的。本作での最大のテーマは、リンカーネーション=輪廻転生なのです。
「18歳のとき、輪廻転生や死後の世界に興味を持って、様々な本を読んだんだ。宗教的なバックグラウンドがなかったからかもしれないね。そのときは、仏教、キリスト教など、どんな宗教に関する深い知識はなかったんだ。そこで出会ったのが『死者の書』。
死者の魂が肉体を離れてから冥府の国に入るまでの過程を描いたもので本当に気に入ったんだ。その話を完全に信じたというよりも、魅了された。とてもポエティックな本だから。ここに描かれた世界観は、人に勇気を与えると思う。正直に誠実に生きるという勇気をね。例えば、カルマの話なんかも興味深い。業は、死んでも失われることがなく、輪廻転生によって代々受け継がれる。現世での行いが、次にどんな姿に生まれ変わるかにも影響するという考えも面白い。
僕は、どんな人間、どんな動物に生まれ変わりたいかと聞かれたら、またギャスパー・ノエに生まれたい!って言うね(笑)。