2010年5月21日 15:35
【シネマモード】フランス映画界の異端児に直撃! 「敵が僕を強くしてくれるんだ」
そんな考えが、この映画にも反映されている。生命のループだ。だから、最後の最後を注意深く観てもらいたいんだ」。
いつも彼の作品を観ていて思うのは、グロテスクな表現やタブーなどを躊躇せず取り込んでいく大胆さと不敵さ。でも、そこにある本意は作品を知れば分かります。それは、彼なりに人生の神秘や美しさ、尊さを強調するためのひとつの手法なのだということが。今回も、輪廻転生、生命誕生など、人生の神秘や美しさを強調するために、グロテスクな演出が随所でなされています。時折、驚かされすぎたり、目を覆いたくなったりするものもあるけれど…。
「グロテスクな表現や、インパクトのある突飛と思われる表現でも、それが滑稽なものになってしまったら、僕のポリシーに反するんだ。本作では、男性性器や女性性器も映し出されるけれど、それが笑いの種になってしまってはいけない。ドキュメンタリーを見るときのように、凄いものを見たという感覚になってもらわなければ。『2001年宇宙の旅』を観て映画の虜になったジェームズ・キャメロンが、後に『アビス』を撮ったように、僕もこの作品を撮る際は『2001年宇宙の旅』を心の中に置いていたんだ。もしかすると、これまで観てきたあらゆる映画が、念頭にあったのかもしれないな。