2010年5月21日 15:35
【シネマモード】フランス映画界の異端児に直撃! 「敵が僕を強くしてくれるんだ」
もちろん、進んで嫌われている訳じゃないし、気に入ってもらえれば嬉しいけど、もし嫌われてしまったのなら、その状況を楽しむしかない。“あなたの新作、大嫌いでした”と言われたとき、“ありがとう本当にありがとう”って答えるんだ。“分かっています、ああいう映画が嫌いな人がいることは”ってね。すると相手は“うーん、でも実はそんなに嫌いでもないかな”とか言い出したりする。“君はクールだって分かっているんだよ”とか。そうなれば、更に“ありがとう”だね。この世にはあまりにも多くの人がいるんだから、好みはそれぞれだよ」。
自分が進む道をまっすぐに見据えて、敵までも巻き込んで、映画作りを楽しんでしまうギャスパー・ノエ監督。
もしかすると過激な演出は、ここまで自分らしい表現をしても、分かってくれる人がいるはずだという観客への信頼なのかもしれません。
「僕は映像を使って楽しみたいだけ。映画から、どんな反応がもたらされて、どんな変化が人々に起きるのかを見るのが楽しみなんだ。もちろん、僕が好む映像スタイルは、一般の観客には時としてやり過ぎだと感じられることは分かっているんだけれど、これが僕のやり方だから仕方がないんだ」。