2023年3月4日 13:30
ミシェル・ヨー、その映画人生が“マルチバース”!香港映画からMCUまでプレイバック
また、今回、“アジア人初”のアカデミー賞主演女優賞候補となったことも意味深い。1936年にも、マール・オベロンが『ダーク・エンジェル』で同主演女優賞にノミネートされたが、マールは英国とインドのダブルであったことを公にせず英国人として活動していたという。ミシェルはアジア人であることを自認する初の主演女優候補、ということだ。
ただ、ミシェルは多くの素晴らしい俳優たち、共に立つ仲間たちや先人たちがいるからだと常に感謝を口にしており、こうした“アジア俳優として”といった言い方そのものは「過去のものになることを望んでいます」として、「私たちのような顔の俳優がノミネートされ、役を演じる機会が平等に与えられることが普通になってほしい」とトーク番組「The Late Show With Stephen Colbert」でも語っている。
さらに「People」に語ったところによれば、「現在のキャリアは母のおかげ」だという。彼女の母ジャネットは大の映画好きで、チャンスさえあったならば自身が映画スターになりたかったそうだ。本作が実は、マルチバースを舞台にした母と娘の愛の物語であることを踏まえれば、ミシェル自身の思いも少なからずエヴリン役に反映されていることだろう。