2010年6月14日 17:22
【シネマモード】この人に会いたい!『パリ20区、僕たちのクラス』L・カンテ監督
教室の中で、生徒たちと撮影してきたもので、いままでの映画の手法とは全く違います。パルムドールを獲るような作品ではないという雰囲気はありましたから」とのお話。ただし、カンヌで初めて観客の前で上映されたとき、その反応を見て、自分たちがやろうとしていたことが上手く機能しているという手応えを感じたといいます。「ただ、そんな良い反応を得てはいても、パルムドールを獲るなどとは思っていませんでした。ですから、会期の最後まで子供たちも帰らずに残っていてくださいと映画祭側から言われたときも、何か子供たちが受賞するんだなと思っていただけだったんです。ところが、段々と賞が発表されていくにつれ、自分たちがいつまで経っても呼ばれないという現実を目の当たりにし、ああ、パルムドールなんだなという実感が湧いてきました(笑)。受賞時は、賞を獲ったということに加え、受賞の喜びを晴れの舞台で、子供たちと分かち合えたことが本当に嬉しかったんです。これは個人の映画ではなく、集団の映画ですからね」。
21年ぶりにフランス作品がパルムドールを獲得したとはいえ、その瞬間ですら特に自分がフランス人であることを自覚しなかったというカンテ監督。