2010年6月14日 17:22
【シネマモード】この人に会いたい!『パリ20区、僕たちのクラス』L・カンテ監督
「ただ、モーリス・ピアラのことは考えましたが。彼は私が敬愛する監督の一人。自分にとっては大切な人。彼がパルムドールを獲ったときは、賛否両論ありました。受賞にはひと悶着ありましたから、そういった経緯を思い出しながらの受賞ではありましたね。また、受賞の言葉として、知性あふれたことを言わなければと感動しながらも冷静に考えていましたっけ(笑)。ただ、これだけは強調しなければと思っていたことがあります。一緒にいた子供たちの中には、若いため、また海外出身の移民であるために軽んじられてきた者もいますが、それこそフランスという国の多様性を象徴しているということであり、ステージに上がった彼らこそが、フランス社会を象徴している存在なんだということです。
彼らにとっても自分たちを改めて認めてもらえ、自分たちの存在をしっかり考えてもらえる良い機会になったと思います」。
それこそが、本作を作ろうと思ったきっかけなのでしょうか?
「そうですね。それだけではないですが。多様性というものが、子供たちにとっていかに素晴らしいことであり、彼らが体現しているフランス社会にとってもいかに恵みであるのか伝えたかったんです」。
では、そのほかの理由とは?
「学校というのは、未来の社会、未来の世界市民を作り出す場だと思うんです。