2010年6月14日 17:22
【シネマモード】この人に会いたい!『パリ20区、僕たちのクラス』L・カンテ監督
実は、今回の映画で、現実をいかにスクリーンに投影するかという自分なりの手法を見つけたんです。それを今後も続けていきたいと思います」。
フランス的すぎる、実験的過ぎるなど厳しい評価もあったようですが、これまでにあった賞賛の言葉で最も嬉しかったものとは?
「一番嬉しかったのは言葉ではないんです。多くのティーンエイジャーがこの作品を観に来てくれたこと。彼らはこういう映画をなかなか観に来ないものですよね。アメリカのアクション映画を観ることが多いですから(笑)。では、なぜ彼らは足を運んでくれたのか。きっと、彼らは自分たちの世界が映画の中に描かれていることを喜んでくれたからではないでしょうか。
それも、いつも大人たちに批判的に受け止められているのに、いままでにはない視点で自分たちを受け止めている。そのことに、感動してくれたのではないかと思います。ですから、その事実そのものに、強い感銘を受けましたね。もうひとつ感銘を受けたのは、観客が笑っている声です。どんなにシリアスなテーマを扱っていても、やはりリラックスできるシーンや、笑えるシーンがあるべきだと思うんです。今回登場してくれた子供たちは、見事な話術を使って自分たちの考えを言葉にしている。