くらし情報『「虎に翼」現在まで連なる、伊藤沙莉“寅子”の怒りと苦悩と挫折を目の当たりに』

「虎に翼」現在まで連なる、伊藤沙莉“寅子”の怒りと苦悩と挫折を目の当たりに

思えば、第6週「女の一念、岩をも通す?」の合格祝賀会の場で、「私たち、すごく怒っているんです」と切り出した寅子は、女性というだけでできないことばかり、そもそも法律によって女性が虐げられていると語り、男性か女性かで“ふるい”にかけられることのない社会を目指したい、「そのために良き弁護士になるよう尽力します。困ってる方を救い続けます、男女関係なく」と怒りのこもった熱い演説を打っていた。

志半ばで諦めた友だけでなく、学ぶことすらできなかった、その選択肢があることすら知らなかった女性たちのためにも、いまこの瞬間にも何かに虐げられ、抑圧され、つらい思いをしている女性たちのためにも、「どんな地獄でも、乗り越えてみせる」と意気揚々と現場に飛び込んでいったはずの寅子。

だが、道なき道を切り拓くのはそうそう簡単なことではなかった。今作は晴れて日本初の女性弁護士となった、キラキラと輝くかっこいい職業婦人を称えるだけのドラマではないのだ。まず、<弁護士・猪爪寅子>は未婚女性であるゆえに、男性はもとより同性の依頼人からも敬遠された。人権派の雲野弁護士(塚地武雅)でさえ、「結婚前の女性にしてほしいのは、弁護よりお酌だろうな」

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