キングギドラ、モスラをつくった怪獣造形師・村瀬継蔵が胸にとどめる円谷英二の金言
って気持ちしかなかったです(笑)。でも、そうやって造形の世界に弟子として入って、いろんなことをやってきて、利光さんと八木さん、それから開米栄三さんという方たちと一緒にお仕事をさせてもらったら、だんだん「いやぁ、これはおもしろいなぁ」と感じるようになりました。
北海道で農業の仕事をやっているときの経験で、使えることがたくさんあったんですね。ゴジラにしても、金網で下地を作ったり、自動車のタイヤのゴムを焼いて加工したり、いろんな工夫を見てきて「これはおもしろいなぁ」と思いまして、八木さんの下で本格的に造形的なことをやるようになって「これを続けたら、子どもたちにいろんなものを見せられる」とも思いました。
モスラを造ったり、キングギドラを造ったり、それから、私にとって代表作と言えるのが『大怪獣バラン』(1958年)のバランですね。バランは「背中にとがった部分がほしい」と言われて、じゃあ、透明なビニールやのホースを切って使えばいいなと思って、円谷(英二)さんに「こうやったら造れそうです」と言ったら「そりゃおもしろい!」と言ってくれました。「でもそれだと穴が見えちゃうな」と言われて、半透明のビニールで覆ってふたをしました。